徒然日記

Dairiten1012の日記

徒然日記75 ~授業システムと雑談と~

バイトしている塾のシステムが変わった。

これまでは半個別といえるようなシステムで、生徒には授業時間中に授業範囲を設定してあげて、自分でテキストを進めてもらう。そして質問があったら先生を捕まえるか自分で聞きに行く。塾で授業をしているというよりも自学自習の場所を提供しているに近い。

これが、1人1台タブレット端末を貸し出して映像授業を見て、映像に沿ってテキストの問題を解き進めていく形になった。授業範囲は映像を順次見ていくから指定しない。分からない問題があったら先生を捕まえるか聞きに行くかは変わらない。

 

このシステム変更のおかげで、講師の負担がかなり軽減されて非常に楽になった。生徒それぞれに当日の授業範囲を設定する作業がなくなったし、生徒の進み具合を見てテキストからプリントに変更するかどうかも考慮しなくて良くなった。進みが悪ければ映像ではなく講師が時間を使って解説をすればよいのだから。授業準備もかなり減ったし、生徒が授業中におしゃべりをすることもなくなった。映像を見て問題を解くのだから、基本的に黙ってタブレット端末の画面を見てくれている。指示を聞かず、テキストを開くだけ開いてボーッとしている生徒が居なくなった。

 

だけど、悪いこともある。

みんなイヤホンをつけてタブレットを見ているから、本当に分かっているかどうかが、傍目から分かりにくくなったし、話しかけに行きにくい。テキスト授業であれば、手が止まっていたり、あるいは苦悶の表情を浮かべていたりする生徒がいるからすぐに分かるし、話しかけに行きやすい。隙を見て雑談だってできる。

一応、映像を止めて確認テストをする時間がある。これが唯一イヤホンを外してもいい時間だ。その間に雑談はできるのか? 答えは否。無理だ。映像で見たことを必死にアウトプットしている生徒の邪魔をすることになる。

 

塾の先生が授業時間に生徒と雑談? と眉をひそめる人もいるだろうが、雑談は生徒と講師の間における大切なコミュニケーションの時間だ。

その生徒がどういう人となりをしているのか、何が好きで何にハマっているのか、学校ではどういう生活でどういう先生が嫌いなのか。生徒の人物像を掴むのは、こういう雑談の積み重ねだ。そして生徒に講師自身の事を知ってもらうのも、この雑談の時間だ。

授業時間の2~3分、生徒の集中が切れた時にだけ訪れる大事なコミュニケーションの時間。適切な授業内容の解説で生徒からの信頼を勝ち得るための下地作り。それが雑談の時間だ。

だが映像授業に変わってしまったので、それも中々難しくなった。新しく入ってきた生徒や、授業の曜日が変わった生徒とは初対面で、これから一年かけて信頼を築かなければならないのだが、難易度が上がってしまったように思う。

 

しかしやらねばならない。バイトといえど、講師は講師。映像授業に負けない丁寧で分かりやすい解説とおしゃべりが面白い先生っていうイメージをなんとか作って信頼を勝ち得ていかねば。