徒然日記111 ~祈れ!ガバるな!騙しきれ!マダミス「狂気山脈」編~
※本記事は、マーダーミステリー「狂気山脈 陰謀の分水嶺」のネタバレを含みます!
もう一度言っておくけど、この記事はマーダーミステリー「狂気山脈 陰謀の分水嶺」のネタバレを含みます。
これはマーダーミステリープレイ2回目の人間の、狂喜と懺悔の記録。ネタバレ厳禁なので、アニオタ@wikiみたいな方法でネタバレ回避をしています。
つまりガッツリ空白を取るということ。お手数ですが、読まれる場合はスクロールをよろしくね。
以下本文!
GMを担当してくださった花乃さん、ありがとうございます!!!(時候の挨拶)
マーダーミステリー「狂気山脈 陰謀の分水嶺」をプレイしました。
PLには自分を含め、大学時代のサークル仲間。GMにはサークルの後輩の友人で、今まで何度かamong usをプレイしたことのある花乃さんをお迎えした。
結果としては完勝と言っても過言ではないだろうけど、なんというか、自分なりにモヤモヤとした反省点の多いプレイングだった。
この記事はそんなマダミス「狂気山脈」のプレイログと悔悟録です。
【PCハンドアウト選択】
犯人は嫌だ、複雑な設定は嫌だと思いながら選択したのは「教授」。ハンドアウトを読みながら、早くも苦悶の表情になる。
バックストーリーに登場するのは、「オカルティズムに傾倒した地質学者」、「神話生物の存在を確信」、「狂気山脈で発見された未知なる鉱石『薄明石』を求めて登山隊に同行」「神話的存在が記載されている資料の閲覧」「目的は神秘の追求」といった、数々の心躍る設定…。
あーもう無理。管理しきれません。この条件を全部匂わせつつの目的達成はキツイ。「ちなみに所属大学はミスカトニック大学だよ」なんでこの設定を追加してるのよ。ハチャメチャに敵じゃんか。
ということで、プレイ中にボロを出さないように設定を整理。
下地にクトゥルフ神話・クトゥルフ神話TRPGがある以上、神秘に傾倒してたらクロは確定するでしょ、メタ推理ができる人がいるなら隠さねば……ということで、「神秘の追求」まわりの部分はガッツリ隠匿。
プレイングのコツにひたすら「教授は神秘がだーいすき! 神話生物絶対いるって信じてるよ!」って書いてあるけど、これをオープンにしたら狙われて死ぬでしょ!「ミッションに生還は含まれていない」死んでもいいムーヴをしたら狙われて動けなくなるでしょ!?
それにスキルがなあ…。スキル名「クトゥルフ神話」は本当にダメだって。これに傾倒してる教授とか敵でしかないじゃん。ということで、スキルも限界ギリギリまで隠すことを確認。できることならスキルは撃たずに勝利したい。
HOミッションの得点配分も、5:3:2と、鉱石成分強めに設定。クトゥルフのマークについては、自分のセンサーが「これを追うと負ける」とビンビンに反応しているため、自分の中でサイドミッション扱いとした。
ということで、はじめから完答の満点は狙わずに、薄明石と殺人犯推理の部分点狙いで動き、ロールプレイも表向き鉱石の調査を目的とした教授として振る舞うことに。
自分にここまで煩雑な設定が配られたということは、他の人もこれくらい面倒なものが行ってるはず。ロールプレイの矛盾点を見て推理していく流れのはずだから、減点法で負けないように動いていこう、と方向性を確定させる。
これ、すでにGMの企図したところからズレてねえか? と思いつつも、いざ出陣。
【前半戦】
とにかくボロを出さないように、ひたすら善良な地質学教授としてプレイ。
バディ調査中、自己紹介がてらのトークでは
「自分は国立極地研究所の所属」
「ヒマラヤでは海棲生物の化石が出てきたことで、プレート衝突によってできた山だと分かった」
「だが、この山はマグマの活動によってできた山なのか、大陸どうしの衝突によってできた山なのかも分からない」
「貴重な鉱石のサンプルを回収したい」
「極地研にはお金がない」
「鉱石のサンプルを回収したい!」
「財務省がお金を文教・研究に回さない!」
というトークを展開。ちなみにゴンドワナ大陸云々は本当の話。ヒマラヤがインド亜大陸の衝突によってできた山脈で海棲生物の化石が出るのも本当。
昭和基地のあるリュツォ・ホルム湾周辺は、約6〜5億年前に存在した超大陸ゴンドワナの形成・分裂の記録を残した変成岩・火成岩が分布していて、リュツォ・ホルム岩体という名前が付いています。太古の岩石を調べることで、地球46億年の歴史を知ることができます。
でも他は適当に言ってる。嘘の中に真実を混ぜるのは、人を騙すテクニックとして有名だもんね。(極地研の方、ダシにしてしまい大変申し訳ありません!)
ここで他のPLが乗っかってくれたので、情報がない相手は「この教授は本当に石目当てなんだな」という信頼を、まあまあ得られたかもしれない(後から考えるとそうでもないかもしれない)。
あとこれは関係ない話なんだけど、大学時代のサークル仲間という気の置けない人たちと遊んだからだと思うけれど、バディ調査中のオープン無線(公開チャンネル)がめちゃくちゃ盛り上がった。
バディ調査中のオープン無線チャンネルでは、考察や情報の整理などを本来はするべきなんだろうけど、されると困るのでくだらないおしゃべりを混ぜていたら、本当に雑談が盛り上がってしまっていた。こ、これも遅滞戦術の一つだから……情報整理を遅らせて自分のクロい部分にたどり着かせない立派な情報戦だから……。
前半のプレイングミスとしては、ひたすらクトゥルフ神話関連の隠匿に力を割きすぎたきらいがあること。
ソロ調査で「脳の入った銀の筒」とか、明らかにクトゥルフチックなアイテムが出てきたときに、知らない人間をよそおったリアクションを取りすぎたこと。これは普通にゲームプレイとして戦勝点に必死になりすぎた。ここで少しでも「大学図書館の蔵書で読んだことあるけど、SFだと思ってた。これって小道具じゃないの?」くらいのリアクションが取れれば良かったなあ、と。
バディ調査のタイミングで医者の身分証を手に入れ、調査員相手に「この山に隠された研究所で脳科学のやばい研究とかやってるでしょ」とか、今思えばかなり露骨。
【全体会議】
伏せておいた医者の身分証を「パーソナルな部分だから隠してたけど」と言いつつ公開し、「今までに出てきた情報から、この身分証情報が疑念のもとになっちゃうから申し訳ない」とこっそり「自分は疑ってますし疑う理由のある人ですよ」というのを示す。特段ミスのあるプレイではなかった、はず。
他PCの枝葉末節にこだわる姿勢を示したのは半分素で、半分は遅滞戦術。稼いだ時間と心象の悪化を比べると、費用対効果はマイナスだったかも。
【後半開始】
わあああ!!あああああああああ!!!!(追加ハンドアウトに発狂する男)
追加ハンドアウトとして流れてきたのは「薄明石を必要とする寄生生物と共生」「発狂状態になる」「EXアイテムの取得」「追加スキルの獲得」。
そしてふと頭をよぎるコログ。
オーケー、冷静になって整理しよう。
まずは追加ハンドアウト。クトゥルフ神話に傾倒してる人間が黒幕じゃないことあるか? と思って行動していたから、いよいよそれが効果を持てるようになった。つまり前半で(情報として登場する所有アイテムはともかく)善良な地質学教授の言動が活きてくる……はずだ!
追加ミッションとして登場した「登山隊全員を神話的存在の信奉者にする」はあくまでボーナスとして一度忘れよう。ボーナスの3点を追って、配分5点の薄明石を逃したら本末転倒だ。塾で「取れる点から取っていく」というのを口酸っぱくしていい続けてきたし、ここは言行一致でいこう。
次にEXアイテム「ペンデュラム」。GMとの密談で「ペンデュラムってどこかに誘導するアイテムですか?」というストレートに思考を放棄した確認をしてしまう。考えた結果、「コイツは現状意味のあるアイテムではないだろうから、一旦忘れる」という扱いをすることに。ちなみに今でもこのアイテムの活用方法は分からない。
そして問題児。スキル「電撃発生装置」。だからさぁ……こういうクライマックスシーンのコアになるようなものを俺に渡すんじゃあないよ、俺じゃあ活用できないんだから! コイツの使用タイミングはエンディングのみと記載されているので、自分以外のPC全員をEDでうまいこと [自主規制] すのが本線として、ボーナスを狙えるなら狙う…という使い方をすることにして、コイツも一旦おいておくことに。
凄いな。プレイ中の自分を振り返ってみると、追加されたハンドアウトや情報に対して、何も解決できていないじゃないか…。
【後半戦】
もうだめだ…おしまいだぁ…。
教授5000,7000のカードが未開封のこの状況で、「自分の情報が全然開いてないし、ここのアイテムが何か分からないから怖い」とか普通に言ってしまっている。バカだねえ。実にバカだね。
これ、冷静に考えればハンドアウトに記載された持ち物がここに来てるってのが分かるはずなんだけど、この時はマジで分かってなかった。
そんな中明らかになる「資料(クトゥルフ的内容)」と「未知の鉱石」!
未知の鉱石の方は弁明ができるとして、資料の方はカバーできない。それこそ、銀色の筒が出てきたタイミングでほのめかしておけば良かったのに。できる限り自分から話題に出さないよう、そして逸らし続けるように必死に動く。後半戦に入ってから心臓がずっとドキドキしてうるさい。これが…恋!? とか言ってる余裕もない。これはシンプル恐怖です。
しかしながら、8000m級から解禁される「神秘の隠匿」「狂気の洞察」は確認しなければならない。明らかにクロなロールが降って湧いた以上、ここにクリティカルな情報があるなら抑えなければ。切らねばなるまいか、スキル「クトゥルフ神話」…!
まずはスキルで「狂気の洞察」を確認。ここに書かれていたのは、後半開始時に余計なことをしてきた「寄生生物」の弱点。強い光が弱点だとか。なるほど、隠された手記の記載はその通りの意味でもあったんだな。
そして探索対象として「神秘の隠匿」をチェック。書かれていたのはガッツリクトゥルフ要素、そして連動して薄明石を入手。
さて困った。石はオープンして大丈夫、でも神秘の隠匿はマジでダメ。クトゥルフベースのゲームなのに、ここまでクトゥルフ的情報が分厚いのはNPCと自分だけ。公開したらタゲが向く。だが伏せていても超絶怪しい。
しかもソロ調査で、医師が「狂気の洞察」を選択。いつの間にやら医師はヘッドランプも装備品に持っているじゃあないか。
終わった~~~!!!! 私の負けです!! 対戦ありがとうございました! お疲れ様です!!!
【最終会議】
自分にできることといえば、後半戦で公開された自分の情報から意識を逸らさせ続けること、神秘の隠匿を伏せ続けることだけ。つまり、疑いを晴らすムーブはできず、疑いを深めるムーブだけ。それと、誰かがガバをやらかしてタゲがそっちに向くのを祈るだけ。
調査員から、自分の持っているアイテム「腕時計」を返して欲しいという話が飛んできた。最初に、「あのー、教授さぁ」と言われた時はもう挫けそうだった。
アイテムの譲渡は問題ないタイミングだし、別に自分は持ってても持ってなくても関係ないアイテムだから全然返すけど…。理由を聞いたら「大事な人の遺品だから返して欲しい」とのこと。その理由ならもう、一も二もなく返すに決まっている。
だって今持ってる電撃発生装置の方が厄いんだから! 盤面上の価値を計算してる時間がないものについては手放すに限る。ということで素直に返却。
記者はこっちをずっとゴン攻めしてくる。自己弁護を差し込もうものならボロが出てしまいそうだから、ただ黙って聞き、「確かにもう自分でも自分が怪しいもんねw」と同調するくらい。
ちなみに、相手に同調することで『アレ、コイツ実は違うんじゃね?』と思わせるテクニックの成功率は四分の一以下だ。本来こういう時に切るカードではないんだけど、切れるカードがこれくらいしかない…!
とはいえ、記者の口数が多くて明らかに自分にターゲットを向けているのも怪しいところ。このゲームはマーダーミステリー。(クトゥルフ的な)ミステリー要素を自分が担っている以上、マーダー要素は記者が担っているんじゃなかろうか? という疑念がドンドン大きくなっていく。確信には変わらないけど。強いて言えば死体の「鋭利な刃物で切られて失血死」と、記者の持っていたサバイバルナイフ、後は探索結果の「殺害現場の確定」にある「記者と調査員と教授ならやれそう」というテキストから判断できるっちゃあできるか。
一応、「殺害現場の確定」に対しては、「教授は鉱物サンプル採掘してたので、ほらコレとかコレとか」と言って、薄明石をオープン。石のためにピッケルを持っていたし、前半ではとにかくひたすら「石採掘に来ました!」って言ってたので、ケアにはなっていたはずだ。そう信じたい。
記者の最後の詰め方は「大事な人のものだからって理由だけで、素直に腕時計を返したのが怪しすぎる。もう目的は達成してしまったから不要になったとしか思えない」だった。
前述の通り、腕時計より厄いカードがあるせいで腕時計で悩んでる場合じゃない、というヒッジョ~に情けない理由が真相なわけだが、状況を俯瞰すると記者の言う通りだ。そんなクリティカルな推理に自分は、「うわーホントだ。遺品だってんなら返すのが筋だと思って返したけど、確かにそうとしか見えないわ」とリアクション。ちなみにもう限界が来ており、素の自分が出ている。
それに対して記者は「とんだ役者だぜコイツ…!」と呻く。もうボロが出まくって取り繕うこともできない状態が、かえって記者を苦しめているように聞こえるんだが……なんか凄く申し訳ないことをしているんじゃないだろうか。
【エンディング】
頼む……俺をここまで困らせた神話的存在でも誰でもいいから、ガバムーブで場を混乱させてくれ…!
そろそろ30年になりそうな俺の人生、ここまで真剣に誰かに祈りを捧げたことはあっただろうか?
ED行動順が1番だった医師が「え、とりあえず……下山します?」「登頂したので、ヘッドランプを付けて隊長に『登りきったぞ』と言います」。
GMは「え!? それでいいですか?」とビックリし、医師も「えっ!? うーん、何するの?」と、てんやわんやし始めた。
祈りは通じた。エンディングで張り詰めていた空気が、急速に弛緩していくのを感じる。
ワイワイ始めたところに冗談をよそおって乗っかっていく。「サッカー選手みたいに、人差し指に口づけしてから天に掲げるポーズとかしたりしてねw」
周りが笑うなか、医師が「じゃあそれで」と採用してくれて、急激に勝ち筋が見えてきた。
そして行動順2番目の記者。
「じゃあ『この場所に5人も人がいるなんて耐えられない!もう耐えられないんだ!』と言いながら、医師に掴みかかります」
直後、この狂気の頂点、人類未踏の標高10363m地点を興奮と混乱が支配した。
状況が分からない他のプレイヤーはビックリすることしかできない。ただ理解できない混乱だけがある状態。
……えッ!? 今日は勝っていいんですか!? ヤッター!!
この大混乱の場で、行動順3番目の自分の番。記者と医師は取っ組み合いをしている最中でこっちに意識は向けてない。スキル「電撃発生装置」の効果条件をしっかりとGMに確認した(5分くらい確認してる)。
「えー、スキルを撃ちます。『電撃発生装置』」
瞬間、水を打ったように静まり返る。
一拍おいて記者が「あ゛ーッ!あるのは分かってたんだよ!!」と叫ぶが、他のPCはポカンとしている。
GMの裁定で、自分より行動手番が後ろの登山家、調査員は何もできずにスキルを被弾。記者と医師も取っ組み合っている中対応できないだろうということで、こちらも被弾。登山隊全員の記憶と意識を刈り取り、神話的存在の信奉者に変えることができてしまった。
まさかまさかの追加ミッション達成である。
【アフタープレイ】
各々のミッションの点数確認、ハンドアウトの設定確認などを進め、勝利点11点で教授の勝利。やったぜ。夕飯にピザ食べちゃお。デリバリー取りました。
とはいえ、神秘に傾倒している人物であるという、大きな設定を隠匿し続けた状態での勝利なので、喜んでいいのかは不明だ。
状況を俯瞰できるGMや、ハンドアウトを確認したプレイ後の他PLから見たら、かなりズルい事をしていたように見えるのではないだろうかと思う。
自分は自分のことをセコいことして勝っちゃたなァ、と思っている。
推理モノや論理パズルが苦手で頭を使うゲームでは勝てないので、勝つために取った作戦の一つではあるものの、「みんなで楽しくプレイしよう!」というマダミスの(というかすべてのゲームの)根源を忘れてプレイしたような気がして、反省しきりだ。
幸いにも、「星降る天辺」という既プレイヤー用DLCシナリオがあり、それも回そうという話になってくれた。次はもっとうまくやりたいものだ。
……できれば、次はPCデータが複雑じゃないハンドアウトでお願いしたい。
ちなみに、一番の反省点はGMがyoutubeに限定公開していた記録用の動画のURLをTwitterでシェアしちゃったこと。ご指摘を受けてすでに削除しましたが……
本当に、申し訳ありませんでした!!!!!!!