徒然日記

Dairiten1012の日記

徒然日記21

 はっきりと覚えている。あれは、小学一年生の頃だ。
 授業中、ぼんやりと空を眺めていた。
 すると、雲がそれなりの速さで流れていくのが見えた。それを見た僕は「今日は地球が早く回ってるんだ!ということは早く帰れるぞ!」と思った。

 地球の自転を知識として持っていた少年は、「空」という固定された外殻の中に地球が存在し、空や雲が内側に描かれた殻のなかで自転していると思っていたのだ。
 だから、雲が早く流れるということは自転が普段より速いということであり、下校時刻の夕方がすぐに来ると考えたのだ。
 時間の概念を獲得し、持っていた自転の知識と関連させる事ができた少年だが、愛らしくも、あと少しだけ知識が足りなかった。  
 そうはいっても、殻の中の地球とは、こどもの発想とはとんでもない物だ。

 雲の流れが早いことを眺めながら、そんなことを思い出した。

 今日は風が強い。