徒然日記70 〜予州、15年ぶりの家〜
明けましておめでとうございます。2020年も当ブログをよろしくお願いします。
私は1月4日から6日の3日間、愛媛県は松山市にある祖父母の家を訪ねていた。こちらは父方の実家。母方の実家はまた別にあって、本年は妹がそちらを訪ねている。母が亡くなっても親戚付き合いを続けてくれる母の兄弟姉妹、そして親戚一同に感謝だな。
19時頃に松山に着いた僕を待っていたのは、15年ぶりに会う祖父母と公務員の伯父と院生の従兄、そして「アイツはよく食う」という情報だけが姉を経由して伝わっていた結果大量に用意された晩ごはんだった。
確かに僕はよく食べる。それは間違いないのだが、流石に15年ぶりに訪問した家で思い切り食べるほど面の皮が厚いわけでもない。姉は大学在学時に居候をしていたので祖母と距離が近いのだが、僕はそうではない。失礼に当たらないように親戚にも変に遠慮をする(そして遠慮したせいで結局失礼をやらかす)タイプなのだ。
……食べ切ってやりましたとも。遠慮して食べ残す方が失礼だと判断した結果だ、後悔はない。なにより祖母の「アンタよく食べるねぇ、これもいるか?」という"追撃"が食いしん坊心に火をつけた。いやぁ、祖父母はアレもコレもと出してたくさん食べさせようとするとよく言うけど、本当なんだねぇ…。
◆◇◆◇◆◇◆
僕にあてがわれた寝室には、母の仏壇が置いてあった。最近浜松にも帰れず、墓参りもできていないことを線香を立てて謝ることができた。いやでも、実家が引っ越した時に一緒に父さんについていったんじゃなかったのか…。
◇◆◇◆◇◆◇
土産に持ってきた浜松銘菓うなぎパイと、名古屋名産モーニングトースト風のラングドシャを渡し、スーツケースの片側を空けられた。ここに松山土産を入れて帰るつもりだったのだが。
「これ代理店が好きや言うてた羊羹。まだあるから持って帰れ」
「チョコとかおばあちゃんよーけ食われん、ここ置いとくから持って帰りや」
「そういえば(代理店妹)ちゃんが食べたい言うてたお菓子、渡してあげてね」
あの……来た時よりスーツケースぱんぱん…持ってきたお土産より増えてるんですケド……。
祖母のお土産攻勢を受け切れず、結局往路より大荷物で復路につくこととなった。
スーツケースには極限まで着替えを圧縮して作ったスペースに詰め込んだ土産が。松山駅で購入したタルトと坊っちゃん団子は入り切らずにスーツケース上に。肩掛けバッグにも土産が入っている(平日朝、ガラガラの予讃線だからできる撮影です。良い子は真似しないでね!)。
重い…。この重さが祖父母の気持ちだと解釈して、大事に家まで運ぼう…。
◆◇◆◇◆◇◆
6日朝、帰るために家を出る時に祖父母に「これからも元気でいてね」と伝えると、「元気でいてくれればそれでいいからね」と返ってきた。仕事とか就職とかメンタルやられてた事とか、色々(姉や妹を介して)知ってはいたようだが、伯父や従兄の前で言うと僕が恥ずかしく思うだろうからとなにも言わないでいてくれていたのだという。
「いつになるか分からないけど、また来るから。それじゃあまたね」と言う僕の声は震えていて、路面電車の電停へ行く道でボロボロと泣いた。
僕は親の言いつけは律儀に守るタイプなんだ。
2020年も元気にやっていきましょう。